エーザイから販売されている「アリセプト」。
1999年に販売されましたが、世界で初めて開発された認知症の薬です。
どのような働きがあるのか詳しくみていきましょう。
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認知症薬・アリセプトってどんな薬?
アルツハイマー型認知症は、脳内にβアミロイドが蓄積することにより、神経細胞が死滅していくことによって発症すると考えられています。
(引用元:http://chuplus.jp/)
それでは薬をつくるもとになったコリン仮説から見ていきましょう。
認知症患者の死後の脳解剖がおこなわれて発見されたことの一つとして、神経伝達物質のアセチルコリンが極端に減少している、ということがあります。
このアセチルコリンは、神経細胞から神経細胞を伝わることにより、情報が伝達され、記憶が形成されていきます。
神経細胞が死滅減少することにより、神経細胞から分泌されるアセチルコリンの量も減少し、脳内で情報の伝達ができなくなる、これがコリン仮説になります。
(引用元:http://westvinegar.up.n.seesaa.net/)
認知症薬・アリセプトの効果は?
アリセプトはコリン仮説に基づき、アセチルコリンが分解されるのを抑制する効果があります。
脳内で神経細胞が死滅するのを止めることはまだ出来ないのですが、減少してしまったアセチルコリンの分解を抑制することにより、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせることが出来ます。
(引用元:http://www.aricept.jp)
このアセチルコリンを分解する酵素はコリンエステラーゼになります。
コリンエステラーゼはアセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼの二種類があり、アリセプトはアセチルコリンエステラーゼを阻害する作用があります。
(引用元:http://blog-imgs-44.fc2.com/)
またレビー小体型認知症にも効果が認められていますが、これは臨床試験の結果、有効性が認められ、販売から15年経過した2014年から適応が拡大されました。
⇒認知症の症状はどんなもの?具体例は?中核症状と周辺症状とは
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認知症薬・アリセプトの副作用は?
アリセプトはアルツハイマー型認知症の軽度から高度まで効果がある唯一の薬になります。
ですが、副作用の吐き気を感じる場合が多く、他のコリンエステラーゼ阻害薬に変更する人もあります。
吐き気以外の副作用は食欲不振、下痢などがありますが、これらは一週間前後で軽減される場合が多いです。
それ意外の重症な副作用としては興奮やイラつき、不整脈、パーキンソンニズムと言われる手足の震え、筋肉のこわばり、歩行障害などがあります。
認知症薬・アリセプトと一緒に飲んではいけない薬は?
アリセプトには併用に注意しなくてはいけない薬が多くあります。
レラキシン(筋弛緩薬)、イトリゾール、エリスロシン、キニジン(CYP3A4で代謝される薬)デグレトール、アレビアチン、フェノバール(CYP3A4誘導薬)、ベサコリン(コリン賦活薬)ウブレチド(コリンエステラーゼ阻害薬)アーテン、ブスコパン(コリン薬)などです。
必ず、医師に確認をしてください。
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まとめ
アリセプトは錠剤、
(引用元:http://www.cocokarada.jp/)
OD錠(ラムネのように口で溶ける錠剤)、
(引用元:http://www.cocokarada.jp/)
ゼリー剤、
(引用元:http://www.cocokarada.jp/)
ドライシロップ、細粒
(引用元:http://www.eisai.jp/)
と種類が様々あります。
患者の嚥下や、認知症の進行具合などをみて、一番飲みやすいものを選びましょう。
またジェネリック薬品が出ています。
薬の単価が変わってきますので、気になるときは薬局に問い合わせをしましょう。
ただし、アリセプトにあるレビー小体型認知症の適応は、他のジェネリック医薬品では適応されていません。
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