(最終更新日:2016年11月24日)
温泉の色が幾色にも変わるのはなんて神秘的な現象なのでしょう♪
泉質によるものから光の現象まで様々ですがどれも私たちの目を楽しませてくれるものですね。
*乳白色の主な成分は?
乳白色の温泉は、そのほとんどが地中から湧き出したばかりは無色透明です。
噴き出した後空気に触れることによって乳白色へと変化します。
温泉が乳白色を呈するメカニズムは次のようになります。
温泉の成分として含まれる硫か水素が空気中の酸素によって酸化して、水に溶けにくい硫黄が生成されます。
硫黄はコロイドという微粒子の形で生成されます。
その結果、温泉に太陽光が当たると硫黄コロイドの微粒子によってミー散乱を起こします。
ミー散乱によってすべての波長の光が散乱して私たちの目に飛び込んでくるために白色に見えます。
*コロイド粒子とは水に溶けきれない細かい粒子のことを言います。
沸き立ての硫黄泉は硫黄がお湯に溶けた状態で無色透明です。
その硫黄泉が酸化していくうちにコロイド粒子の変化して大きくなります。
そのため湯の色も乳白色になります。
**ミー散乱とは光の波長程度以上の大きさの形状の粒子による光の散乱現象のことです。
*茶褐色の主な成分は?
茶色に濁る温泉は鉄分を含む含鉄泉で、地中より湧き出したばかりはほとんどが無色透明です。
温泉が地上に湧き出すと、空気中の酸素に触れてイオンとして溶け込んでいた鉄分が
酸化されて酸化鉄(いわゆる”さび”)の茶色い沈殿物(コロイド粒子)ができます。
この沈殿物(コロイド粒子)の懸濁により茶色く濁ります。
温泉に鉄分が含まれていることは決して珍しいことではなく、
ごく少量の鉄分が含まれているだけでも酸化によって茶色くなります。
このためうっすらと茶褐色に濁る温泉は全国にたくさんあります。
*黒色の主な成分は?
現在の東京湾周辺の地層には、太古の海底に繁茂した海藻などの成分(腐植質)が含まれています。
そのような地層から採取される温水には腐植質起源のフミン酸が含まれています。
温泉中にフミン酸が含まれると、フミン酸が太陽の光のうち目に見える光の部分(可視光線)を吸収するため、
光がなくなり温泉が暗黒の黒色に見えす。
腐植質には、食物が微生物に分解された物質(フミン酸)が含まれていますが
このフミン酸のコロイド粒子(沈殿物)の量や大きさによって透明感のあるウーロン茶のような色の湯だったり、
真っ黒で不透明な湯になったりします。
*フミンさんとは:植物が微生物によって分解されてできる最終の生成物で、土の中でアルカリに溶け酸で沈殿する有機物です。
*青色の主な成分は?
青色の湯のメカニズムは開発途中でまだ解明されていませんが成分中の珪酸(ケイサン)や硫黄成分」が関係してると言われてます。
乳青色の湯は乳白色の湯になるための変化の過程でみられることもあります。
青色の温泉は湧き出したばかりは無色透明で、2~3日後に青色になり、
一週間くらい後に乳白色に変化します。
珪酸の小さな粒子同士が時間の経過とともに脱水縮合という反応を起こして大きく成し、
約1μm程度のコロイド粒子になると、太陽光は波長の短い青色の光だけを散乱させるレイリー散乱を起こすため、
私たちの目に飛び込む青色の波長の光(散乱光)によって温泉が青色に見えます。
*まとめ
緑茶に鉄分を含む温泉を注ぐと、お茶の中のカテキンに含まれるタンニンという成分と
鉄分(鉄イオン)が反応して真っ黒になります。
青色に関しては泉質そのものの働きというよりも光の減少によって目に飛び込んで映る色具合によるものが大きいようです。
どうして温泉のお湯が青いのか?についてはまだまだ研究途中のようで詳しい原理ははっきりわかっていない部分も多いようです。
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