(最終更新日:2016年7月1日)
明治時代に日本に輸入されたカレー、 戦時中は海軍の毎週のメニューとして、栄養補給の一役をになっていました。
でも、カレーに使う香辛料って、熱帯地方でとれるものなので 輸入しないといけなかったのです。
それってとっても大変。 じゃあ、代わりになにが使えるのか。
今回紹介するのは、日本人がカレーのスパイスを日本風にアレンジした歴史のお話です。
スパイスの輸入が減る?
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明治時代から積極的に食べられるようになったカレー。
日本の漬け物である福神漬けとの食べ合わせがいいことを 発見したり、
小麦粉でとろみをつけて 白いご飯と一緒に食べることでなじみ深い食べ物へと昇格しました。
でも、満州事変をきっかけに中国を占領した日本は 各国から批判を受け、国際連盟から脱退を迫られます。
そうなると、輸入ができないため香辛料が手に入らなくなりました。
家庭ではカレーが食べれなくなった?
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戦時中、海軍の船ではカレーが定着していましたが 国民の間では次第に食料補給もなくなり、餓死する人もいた時代です。
「カレー」は当時敵国の言葉として「辛味入り汁かけ飯」と日本の言葉で ネーミングされ、
香辛料の代用品を使った日本風カレーが 一応は存在したようですが、
定着することも、靴に入ることもなく終戦を迎えました。
スパイスの代用品はこれだった!
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スパイスが手に入らなくなった戦時中、日本にあるもので スパイスを代用しようと使われたのは、
なんと、「ヨモギ」です。
黄色くもないし、スパイシーでもない「ヨモギ」が増量剤として使われたカレーは 美味しいわけがないでしょう。
また、唐辛子も辛さをつけるために使われたようですが、
ヨモギや唐辛子って、なんだか別の料理ができてきそうですね。
もちろん、このときの日本人の努力が 今の日本風のカレーに繋がったのだとは思うのですが。
学校給食はいつから?
(http://kumaneko.way-nifty.com)
終戦から3年後、学校給食が始まる頃、スパイスが日本にも再来します。
それにともない、給食のメニューにカレーが加わりました。
カレーは栄養がたっぷりの肉、野菜を含むので、子供たちの栄養源としても 最適なメニューだったのでしょう。
実は私、カレーってもっと最近の食べ物だと思っていました。
だって、こんなにもご当地メニューになったり アレンジされるおしゃれな食べ物なのですから。
戦争が終わり、昭和の落ち着いた時代に生まれてきたのかな、なんて思っていたくらいです。
でも、そうではなく、カレーは日本をすくってくれた食べ物でもあるのだなと思います。
まず、戦時中にビタミン不足の軍人たちの栄養源として活躍してくれました。
そして、戦後の栄養不足の日本人の頼もしい味方となり、 それは給食で子どもたちの栄養補給となったり、
レトルトカレーの誕生によって、働く女性たちの助っ人にもなりえたのです。
はるばるインドからイギリスに輸入され、そして日本にやってきて 幅広い展開をとげるカレー。
明治から今までの間に、日本の様々な危機を救ってくれたのだと思うと、
親しみやすさとともに国際的で奥深い食べ物なんだな、と改めて感じます。
さて、今日はどんなカレーを作ろうか、そんなことを考える背景に 歴史や海外、戦争の背景があるなんて、感慨深いです。
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