(最終更新日:2016年6月29日)
由緒あるレストランで提供される綺麗なカレーから、 チェーン店や一般家庭でもおなじみのカレーライス。
実はカレーって、最初から日本人に愛されていたわけではないんです。
どうやって日本にやってきたのか、 どうやって人気メニューへと成長していったのかご紹介します。
Contents
海軍のカレーの日は戦争がきっかけ?(明治後半~)
(http://www.e-hikarihome.co.jp/)
カレーというとインドから、というイメージがありますが、 実はインドを植民地とするイギリスから輸入されたんです。
つまり、日本のカレーはイギリス風ということですね。
さて、そのイギリス風のカレーはどんなものかといいますと、 西洋の野菜がたくさん入っています。
この野菜とともにカレーが日本に普及したのは、 カレーがおいしかったからじゃないんです。
意外ですよね、今は美味しかったり人気あるものがたくさん輸入されているのですから。
当時、日本はお米中心の食生活だったので 栄養が足りませんでした。
病死した軍人の死因の多くがビタミン不足によるものでした。 そこで日本の軍隊は、ビタミン補給できる食べ物を使ったメニューを推奨したのです。
ビタミンB1といえば、豚肉や緑黄色野菜、牛乳、パン。 日本人にはまだ珍しい食材ばかり。
(http://premium.gnavi.co.jp)
これらの食材でシチューを作ることもできますが シチューには牛乳を使いますね。
まだ冷蔵庫の普及しない日本では、どうしても牛乳が日持ちしない。
そこで、日持ちする上に馴染みのあるご飯にかけて食べられる カレーが軍隊の糧食となったのです。
軍隊の中でカレーライスが普及したのは、日露戦争から第一次世界大戦の頃だといわれています。
日本の戦争は、カレーの栄養補給によって成り立っていたなんて なんだか不思議ですね。
福神漬けはこのころに生まれた?
(引用:http://pds.exblog.jp)
福神漬けもカレーと同じ頃に生まれました。 でも、カレーに合わせて作られたわけではありません。
もともと塩で漬ける漬物が主流だった時代。
しょうゆで厳選した野菜を漬けた福神漬けは、高級品として扱われたようです。
海軍でも、カレーに合わせて食べることができたのは一等兵だけで それ以下の海兵はたくあんを食べていたそうです。
カレーが一般化すると、様々な食べ物が生まれた
(http://blog-imgs-37-origin.fc2.com)
カレーと福神漬けが合う、ということは、しょうゆの味が カレーには合うんですね。
そう、カレーって、実は日本の調味料や薬味と相性がいいんです。
そんなことから、日本らしくアレンジされて カレーうどん、 カレーパン、インスタントカレー、スープカレーなどが 生まれてきました。
スープカレーは、日本の薬味であるしょうがやにんにく、 大根おろしなんかとも相性がよくて、新陳代謝をよくしてくれる ヘルシーなメニューなんですよ。
国産カレー粉の誕生
(http://ecx.images-amazon.com)
カレールーというと親しみがありますが、 その前に、カレーの基本となるカレー粉を生み出そうとした日本人がいます。
S&B食品の創業者山岸峯次郎です。 香辛料の輸入という点では欧州に遅れをとっている日本です。
焙煎やスパイスの選び方にはなみならぬ努力と時間が必要でした。
でもそのおかげで今もおなじみ赤い缶のカレー粉が生まれ、 カレールーやレトルトカレーへと研究がすすんでいったのです。
最初は栄養供給が目的だったカレーも カレーにまつわる食べ物の誕生や国産カレー粉の誕生に支えられ 多くの支持を得ることができたのですね。
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