夏休みは、夜遅くまで夜空を観察するのに絶好のチャンスです!
関東地方も梅雨明けが発表され、全国的に梅雨が明けるのももうすぐです。
天気のいい夜は、月明かりも美しい(^-^)
望遠鏡を手にしたら、まず最初に観察したいのは『月』ですね。
下調べに、天体の専門書や月に関するサイトはたくさんありますが、難しい単語が多く途中で読むのが嫌になってしまうことってありませんか?
今回は、月に関する基本的な知識を、わかりやすくまとめてみたいと思います(^^)/
Contents
月の表面の様子は?
肉眼で月を見ると、表面の薄暗い模様がわかります。
これは“海”と名付けられた平らな地形です。
また、“クレーター”と呼ばれる地球の火山の噴火口のような丸い地形も多く見ることができます。
これは、小さな天体の衝突によりできたもので、月の裏側にはさらに多くのクレーターがあると言われています。
月は常に同じ側を地球に向けている(月の自転と公転が地球と同期している)ので、地球からは月の裏側は全く見えません。
参考までに、こんな動画をご紹介します。
月の表側には、山脈や溶岩ドーム谷などの月面の地形は、大変変化に富んでいて、興味深く、飽きずにいつまでも眺められます。
【月面の見どころ】
◆コペルニクス
比較的新しいクレーターで、中央に山(カルパティア山脈)があり、内壁は階段状になっています。周囲には見事な光条が見えます。
◆カタリナ、キリルス、テオフィルス
「神酒の海」の西側に3つ連なるクレーターです。それぞれの大きさは直径100Km前後。キリルスとテオフィルスの重なり方を観察すると、キリルスの後にテオフィルスができたことがわかります。
◆海の中のシワ
海の部分が欠けぎわ(月の満ち欠けにより、もう少しで見えなくなりそうなタイミング)に近い時に観察すると、海と呼ばれる一見、平らに見える地形の中に“シワ”を見ることができます。月の東側「神酒の海」「静かの海」「晴れの海」が特にシワを見つけやすい場所です。
◆光条
クレーターの周囲に見られる放射状に広がる模様を「光条」といいます。小天体が衝突したときに飛び散った物質が月の引力により再び引き寄せられてできたものです。満月に近くなるほど目立つようになります。
◆山脈
海と海のあいだを分けるように山脈が見られます。これは“海”を形成することになる大衝突の際にできた「巨大クレーターの淵」と考えられています。
月の表面温度は?
月には大気や水がほとんどなく、砂(レゴリス)によって覆われているため、表面温度の差が大きくなります。
※レゴリス・・・月や他の天体の表面を覆っている岩石や砂などの物質
平均温度は「-23℃」最高温度は「123℃」最低温度は「-233℃」
つまり“熱い時はものすっごく熱くて、冷たい時はメチャクチャ冷たい”ということです。
大気には太陽熱を保温する効果や直接熱せられないためのクッション効果があります。
大気があるということは、地球に生物や植物が生息できる理由の一つでもありますね。
月には大気がないので、太陽から受ける熱エネルギーを直接受け、非常に熱くなります。
しかし、熱を保つ(蓄える)ことはできません。
すぐに熱を宇宙空間に放熱してしまいます。
そのため太陽が当たらなくなると、すぐに温度が下がってしまうのです。
月には地球と同じように海や陸地があるの?
「静かの海」「雨の海」「晴れの海」「嵐の大洋」などと呼ばれる“海”は、地球の海とは異なり、広大な溶岩平野になっています。
地球の海のように、海水があるわけではないのです。
「海」と呼ばれる地形は、よく見ると、円形か、円の組み合わせになっていることに気がつくことでしょう。
これは、何十億年も前に巨大な天体が月に衝突し、それによって月面内部からしみだした溶岩によりできました。
例えば「雨の海」は直径約930Kmもあります。
月をバラバラに破壊するほどの大衝突があったと考えられています。
月の表面を観察するときは満月の日は避けましょう。
満月のように、太陽光線が月に真正面に当たっているときは観察には向いていません。
月のかけ際の部分が立体的に美しく見えます。
また、月の地形は同じ場所でも太陽光線の当たり方(角度)によって、見え方が大きく変わります。
きれいに見えなかったときは。日を改めてチャレンジすると、より美しい月に姿を見ることができるかもしれませんよo(^-^)o
月にはウサギがいるというのはなぜ?
『お月様にはウサギがいて、餅つきをしているんだよ』
『ほら、ウサギの耳があそこで・・・、逆さまだね~』
子供の頃に、こんな風におばあちゃんやお母さんと話したことを思い出します。
でも、今、子供に「どうして月にウサギさんがいるの?」と聞かれたら、ちゃんと答える自信がありません(>_<)
そこで、調べてみました!
月にうさぎがいるという話の由来には諸説あります。
代表的なところでは『インドの神話』説と、『中国の神話』説です。
【インドのジャータカ神話】
“昔、あるところに仲良しの「ウサギ、キツネ、サル」がいました。ある日、お腹をすかせた老人に出会った3匹は、老人のために食べ物を集めます。サルは木の実を、キツネは魚を獲ってきましたが、ウサギは何も持って来ることが出来ませんでした。一生懸命頑張っても、何もできなかったと悩んだウサギは「どうぞ私を食べてください」と言って自ら焚き火の中に飛び込んだのです。実はその老人は帝釈天(たいしゃくてん)という神様でした。帝釈天はこのウサギを哀れみ、月の中に甦らせて、皆の手本としました。”
【中国の神話】
古代中国でも、月にはウサギがいると信じられていました。しかし、杵を持ってついているのは餅ではなく“不老不死の薬”。月の満ちては欠け、欠けては満ちる様子が不老不死や再生の思想と結びついたと考えられています。
“弓の名手だった羿(げい)が西王母という女神からもらった不老不死の薬を、彼の妻・姮娥(こうが)が盗んで月へ逃げました。そして、月で蟾蜍(ヒキガエル)に変わってしまい、罰として不老不死の薬を作り続けることになりました。”
※なぜヒキガエルがウサギになったのか?
これは、漢字の誤りらしく、「蟾蜍」を「顧菟」と表記したために、“菟”の字がウサギと認識されてしまったようです。
海外ではウサギではなくなにが見える?
日本では月には「うさぎの餅つき」が定番ですが、世界では実に様々な月の模様について語られています。
代表的なところでは
○南ヨーロッパ ~大きなハサミのカニ
○東ヨーロッパ ~女性の横顔
○北ヨーロッパ ~本を読むおばあさん
○カナダインディアン ~バケツを運ぶ少女
○アラビア ~ライオン
○ドイツ ~薪をかつぐ男
○海賊 ~水をかつぐ男女
みなさんの目には、月の中には何が見えるでしょう?
月は神秘的なものとして、世界中で様々な言い伝えができていきました。
月の観察とともに、各国の神話を調べてみるのも面白そうですね(^-^)
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