(最終更新日:2016年7月28日)
古今東西、老若男女に愛されてきたカレー。
これまで、カレーの誕生した明治時代の背景、 戦後のカレーをめぐる競争、 給食への普及などについて書いてきました。
今回迫るのは、私たちが生きてきたおなじみの90年代のカレーについて。
情報の多様化、商品の多様化、さまざまな多様化が進む中、 カレーも多様化を遂げてきました。
高級志向から独自性へ!
(引用 http://image1-4.tabelog.k-img.com)
神戸や横浜など、海辺の街ではよく、ホテルカレーの伝統が残っていますよね。
有名ホテルのカレーは一味違う、これは私自身も感じます。
大きな鍋で高級な食材をふんだんに使った味は、やっぱり違う。
でも、伝統の味に食べ飽きたり、レストランが増えた現代。
高級カレーも家庭のカレーも、様々な変化を遂げています。
例えば、軽井沢の三笠カレーは、辛さと渋みが印象的な当時の味を再現しつつ 町の活性化につなげるために、
軽井沢の名産でもあるルバーブのジャムを カレーに加えているんです。
また、金沢ではカツにキャベツを添え、ステンレスのお皿に盛られた 親しみたっぷりのカレーが個性を放っています。
カレーは宇宙へ行く!
(引用 http://hiro-net.cocolog-nifty.com)
人間が初めて宇宙にたどり着いたのは、1960年代。 、日本人が初めて宇宙にたどり着いたのは、1990年代です。
この90年代、日本人とともにカレーも宇宙に向かうこととなります。
宇宙食というのは、宇宙飛行士が食べ慣れているもの、 かつ宇宙飛行士の体調・栄養を維持するものでなくてはなりません。
戦時中に戦艦での栄養食として定着したカレーは、宇宙でも大活躍したのです。
今や世界中の宇宙飛行士から、高い評価を得ているスペースカレー。
製法はレトルトカレーと同じですが、ちょっと濃い味付けにしているようです。
スープカレー誕生!
(引用 http://uds.gnst.jp)
イギリスから伝わったカレーですが、和風のだしや薬味も相性抜群。
なんといっても、しょうゆやみりんをたくさん使った福神漬けとの相性の良さを 発見したときには、和風味との相性を再確認したのではないでしょうか。
和風食材との相性に味をしめたのか、 日本人は「中国の薬膳的な要素も入れてみたらどうだろう?」と思ったのでしょう。
カレー以上にスパイスをたっぷり加えたスープカレーが誕生します。
カレーよりもカロリーが低く、加える具材やスパイスによって ダイエットや美肌効果が期待できるカレーは、今やカレーとは別の料理です。
激辛カレー登場!
(引用 http://image.rakuten.co.jp)
飽食の時代を迎えると、みんな刺激的な味を求めます。
スパイスが効いてダイエット効果が・・・という度合いを越して、 刺激的過ぎて旅の思い出となってしまいます。
どうして人は、刺激的なものを求めるのでしょうか。
そういえば、90年代というと、とてもすっぱいポテトチップスや 刺激的な味のグミが流行しだした時代です。
これまで人気だったんだから、もうこれ以上進化を遂げなくてもいいじゃない、と 言いたくなりますが、
カレーは常にバリエーションを広げ、 幅広い層に愛され続けてきたのですね。
いかがでしたか。
たかがカレーの歴史。 されどカレーの歴史です。
90年代の特徴を物語っていると思いませんか。 バブルが崩壊し、高級志向のカレーは庶民派に。
健康ブーム、ダイエットブームとともにスープカレーが誕生し、 刺激を求める時代には、激辛カレーが生まれます。
時代に翻弄されることなく、時代とともに多様化するカレーの今後に期待です。
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