(最終更新日:2016年7月28日)
明治時代にイギリスからやってきたカレー。
さて、今回はそんなカレーの戦後のユニークな製品にせまります。
オリエンタルカレーの戦略とは?
(引用http://blogs.c.yimg.jp)
戦後、高度経済成長を迎えるにあたり、女性の社会進出が進みます。
働く女性にとって、家事の時間もなるべく効率よく済ませたいところ。
でも、コンビニエンスストアも掃除機も洗濯機の普及もまだまだの時代。
カレーでさえも、小麦粉を炒めてカレー粉を混ぜるという手間があるほどでした。
そんなとき、効率よく調理をするための工夫を考えられたのが、オリエンタルの即席カレーです。
その売り方も見事です。
チンドン屋から始まり、芸人や宣伝カーとともに大々的に広告を出したのです。
派手な宣伝の一方、添加物の少ない自然なカレー作りにこだわったことも 長く愛される秘訣となりました。
カレー粉から固形カレーの変化
(引用:http://housefoods.jp/index.html )
1960年代になるとカレー粉は、使いやすいカレールウへと移行しますが、
オリエンタルカレーはルウにすることを長く固辞してきました。
当時、牛脂を使うことが健康上の問題となったからです。
高度成長期の前とはいえ、まだまだ家庭の貧富の差は激しい時代。
ちょっとでも利益を多くするために、お金勘定にあくせくしていた時代、
健康面を考えて、よりよい商品を考案しようとしたオリエンタルは、 先見の明があるといっても過言ではあります。
しかし今、日本ではカレーといえばルウが主流となっています。
開封しなければ1年くらい保存がきくからです。
カレーパウダーが細菌やカビの繁殖を防ぎ、油脂の劣化を防ぐ 効果を持っていることが大きな要因のようです。
今は、健康面への配慮が当然となり、さらには保存がきくもの、 品質が保たれることが重要視される時代へと変わってきたのですね。
各社熾烈な戦い!
(引用 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp)
カレー粉なんてあまり違いがないと思っている方もいるかと思います。
でも実は、会社によってカレーの味って全然異なります。
レシートポータルサイト「RECEIPO」によると、 カレールウのランキング、
2位はヱスビー食品の「ゴールデンカレー」
1位はハウス食品の「バーモントカレー」
です。 しばしば毎年改良が重ねられるため、この結果は年々変化します。
この熾烈な戦いには、インド人もびっくり。
カレーの本場、インドではスパイスやにんにくなどを ふんだんに使った料理に慣れ親しんでいるので、 日本のカレーは全く別の料理のように感じるようです。
この会社のカレールウはこのスパイスが効いていて美味しい、 こっちはスパイスの種類が多すぎて味がはっきりしない、
など、様々な感想を聞かせてくれます。
世界初!レトルトカレーとは?
(引用 http://www.boncurry.jp)
レトルトカレーって、なんだか海外から輸入されてきたように感じませんか。
なんだかハイテクな技術を駆使して作られた感じ。
でも、世界初のレトルトカレーを作ったのは、日本の大塚食品でした。
においや味が濃いカレーは、レトルトっぽいにおいを感じにくいという点で いちはやくレトルト食品に抜擢されたのですね。
実は、インスタントラーメンやカップヌードルも日本から誕生した商品です。
女性の社会進出については先進国に遅れをとった日本ですが、 家事の面をサポートしようと効率よい調理方法の考案する点では 大きく社会に貢献しましたね。
そのせいでしょうか、料理=女性の仕事、という観念がまだ残っているのは ちょっと気になるところですが。
学校給食から決まったカレーの日とは?
(引用http://www.city.funabashi.chiba.jp)
1982年、1月22日は、給食のメニューをカレーにする、ということが決まりました。
その当時、給食で一斉にカレーを準備できた学校は2割程度といわれます。
今からたった30年ほど前なのに、驚きですね。
栄養価の高いカレーを一斉に給食として提供することで、 子どもたちの健康を考慮しようという試みのようです。
どんな料理も飽きがくるのに対し、カレーだけは定期的に食べたくなる。
そして、ちょっと何日かカレーが続いても嬉しかったりするので、 当時のカレー給食も、きっと喜ばれたことでしょう。
いかがでしたか。
輸入食品に頼らざるを得ないカレーは、 戦時中に消えてもおかしくない洋食の1つでした。
でも今も人気なのは、美味しさとともに食べやすさ、 保存方法、調理しやすさなどさまざまが検討されてきたことが一因のようですね。
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